Wi-Fiが遅い原因を最短で切り分ける方法|回線・ルーター・端末・電波を一発判定

記事タイトル「Wi-Fiが遅い!原因特定&解決ガイド」のアイキャッチイラスト。左側の遅くて困っている状態(亀)と、右側の快適な状態(チーター)の対比図。中央には、有線・ルーター・端末・電波を順にチェックして解決する4段階のフローチャートが描かれている。
  1. 0. まず最初に:Wi-Fiが遅い=回線が遅い、とは限らない
  2. 1. 結論:遅い原因はだいたいこの4つ(症状のざっくり見分け)
    1. 回線が怪しい(家の外)
    2. ルーターが怪しい(家の中・機械)
    3. 端末が怪しい(スマホ/PC)
    4. 電波が怪しい(環境)
  3. 2. 最短で犯人を特定する「切り分けフロー」(この順番が最重要)
    1. 2-1. 用意するもの(最低限)
    2. 2-2. フロー:まずは「回線」が遅いかを潰す(最優先)
      1. STEP A:有線で測る(=Wi-Fiを介さず確認)
    3. 2-3. Wi-Fi側の問題を「ルーター」か「電波」かに分ける
      1. STEP B:ルーターのすぐ近く(1〜2m)で測る
    4. 2-4. 端末の問題を切り出す(かなり重要)
      1. STEP C:同じ場所で「別端末」でも測る
    5. 2-5. ここまでの結果が一発で分かる「判定表」
  4. 3. 回線が原因のとき(ONU/光回線/ISP混雑/方式)
    1. 3-1. 回線が原因っぽい症状
    2. 3-2. まずやること(順番が大事)
      1. ① ONU/モデム/ルーターを「正しい順」で再起動
      2. ② 配線チェック(地味だけど効く)
      3. ③ 時間帯別に測って“混雑”を見える化する
    3. 3-3. PPPoEとIPoE(IPv6)の違いを超ざっくり理解する
    4. 3-4. 回線側の改善策(やる順)
    5. 3-5. 問い合わせ時に“これだけ”揃えると話が早い
  5. 4. ルーターが原因のとき(性能/設定/熱/不調)
    1. 4-1. ルーター原因の典型パターン
    2. 4-2. よくある原因チェックリスト(当てはまるほどルーター寄り)
      1. 規格・性能の問題
      2. 設定・構成の問題
      3. 物理(熱・環境)の問題
    3. 4-3. ルーター側の改善策(効く順にやる)
      1. ① 再起動(ただし“やり方”が大事)
      2. ② 設置環境の改善(これが意外と強い)
      3. ③ ファームウェア更新
      4. ④ “重い機能”を一度OFFにして差分を見る
      5. ⑤ 最終手段:初期化→再設定
    4. 4-4. 買い替え判断(買う前に“必要条件”を言語化する)
  6. 5. 端末が原因のとき(スマホ/PCの規格・負荷・設定)
    1. 5-1. 端末原因の典型パターン(当てはまるほど端末寄り)
    2. 5-2. よくある原因(スマホ/PC別に)
      1. スマホで多い原因
      2. PCで多い原因
    3. 5-3. 端末側の改善策(この順に試すと早い)
      1. ① まずは“Wi-Fiのやり直し”で差分を見る
      2. ② 省電力モードをOFFにする(体感が変わりやすい)
      3. ③ バックグラウンド負荷を止めて測る
      4. ④ VPN/セキュリティを一時停止して差分チェック
      5. ⑤ OS・ドライバ更新(PCは特に重要)
      6. ⑥ 最後の手段:ネットワーク設定リセット
  7. 6. 電波が原因のとき(距離/壁/干渉/置き場所)
    1. 6-1. 電波原因の典型パターン
    2. 6-2. 2.4GHz/5GHz/6GHzの“使い分け”が体感を決める
    3. 6-3. 置き場所だけで改善する“黄金ルール”
    4. 6-4. 干渉(近隣Wi-Fi・家電)を疑うポイント
    5. 6-5. 中継器 vs メッシュ:ここを間違えると遅くなる
      1. 中継器のよくある失敗
      2. メッシュの強み
    6. 6-6. 最強の解:有線バックホール(可能なら勝ち)
  8. 7. 速度だけじゃない:体感の遅さはPing/ジッターが犯人のこともある
  9. 8. すぐ使える「切り分けチェック表」(記録テンプレ)
  10. 9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 速度テストは速いのにYouTubeだけ遅いのは?
    2. Q2. 再起動で直るのに、また遅くなるのはなぜ?
    3. Q3. 中継器を増やしたのに遅くなりました…
    4. Q4. 2.4GHzと5GHz、どっちに固定すべき?
    5. Q5. 有線にしたら絶対速いですか?
  11. 10. まとめ:最短で犯人を捕まえる順番はこれ

0. まず最初に:Wi-Fiが遅い=回線が遅い、とは限らない

「Wi-Fiが遅い」と感じたとき、実際に遅い場所は大きく4つに分かれます。

  • 回線(家の外:契約・混雑・障害・ISPの方式など)
  • ルーター(家の中:性能不足・設定・熱・不調)
  • 端末(スマホ/PC側:規格が古い・省電力・バックグラウンド負荷)
  • 電波(距離・壁・干渉:部屋によって遅い、電子レンジで悪化など)

そして厄介なのが、原因が1つとは限らないことです。
例:夜は回線が混む+寝室は電波が弱い、などは普通に起こります。

だからこそ、この記事では「体感」ではなく、順番にチェックして“切り分け”で特定します。
この順番でやれば、最短で結論が出ます。


1. 結論:遅い原因はだいたいこの4つ(症状のざっくり見分け)

「Wi-Fiが遅い4つの原因」と題されたインフォグラフィック。左上から時計回りに、地球儀のアイコンで「回線(家の外)」、Wi-Fiルーターのアイコンで「ルーター(家の中)」、電波マークのアイコンで「電波(環境)」、スマートフォンとノートパソコンのアイコンで「端末(デバイス)」という4つの要素がイラストと文字で分かりやすく示されている。

まずは「あるある症状」で方向性をつかみます。

回線が怪しい(家の外)

  • 有線でも遅い
  • 夜だけ遅い(19〜24時に落ちる)
  • 速度はそこそこでも、オンライン会議やゲームだけ不安定(Pingが悪い)
  • ある日突然遅くなった(障害・工事・設定変更の可能性)

ルーターが怪しい(家の中・機械)

  • ルーターのすぐ近くでも遅い/不安定
  • 再起動すると一時的に改善→しばらくするとまた遅い
  • 接続台数が増えると急に死ぬ(家族のスマホ・TV・ゲーム機が多い)

端末が怪しい(スマホ/PC)

  • 同じ場所でその端末だけ遅い
  • 省電力モード中だけ遅い
  • VPN/セキュリティアプリ導入後から遅い

電波が怪しい(環境)

  • ルーター近くは速いのに、部屋を移動すると遅い
  • 扉を閉めると遅い/廊下を挟むと急落
  • 電子レンジ使用中に遅い(2.4GHz帯の典型)

ただし、ここで決め打ちはしません。
次の章で“最短フロー”に沿って確認します。


2. 最短で犯人を特定する「切り分けフロー」(この順番が最重要)

Wi-Fi遅延の原因を特定するための手順を示した縦型のフローチャート図。最上部のボックス「まずは有線で測定」から始まり、下向きの矢印で順に「ルーターの近くで測定」「別の端末で測定」「別の部屋で測定」というステップが接続されている。各ステップで問題を分離していく流れが視覚的に表現されている。

ここがこの記事のメインです。
やることはシンプルで、ポイントは 「Wi-Fiを介さない測定→近距離→別端末→部屋移動」 の順です。

2-1. 用意するもの(最低限)

  • できれば LANケーブル1本(これがあると切り分けが爆速)
  • スマホ(できればPCもあると強い)
  • 速度テスト(ブラウザでOK)

LANケーブルがない場合でも進められますが、回線とWi-Fiの分離が難しくなるので、可能なら1本あると最高です。


2-2. フロー:まずは「回線」が遅いかを潰す(最優先)

STEP A:有線で測る(=Wi-Fiを介さず確認)

可能なら「ONU(光回線の箱)/モデム → PC」を有線で直結して速度を測ります。
(難しければ「ルーター → PC」を有線でもOK。※ただし回線とルーターが完全には分離できません)

  • 有線でも遅い → まず 回線(家の外) が濃厚
  • 有線は速いWi-Fi側(ルーター/電波/端末) が濃厚

ここで方向性がほぼ決まります。


2-3. Wi-Fi側の問題を「ルーター」か「電波」かに分ける

STEP B:ルーターのすぐ近く(1〜2m)で測る

ルーターの隣で、スマホで速度テスト。

  • 近くでも遅いルーター or 端末
  • 近くは速い電波(距離・壁・干渉) が濃厚

2-4. 端末の問題を切り出す(かなり重要)

STEP C:同じ場所で「別端末」でも測る

同じ場所・同じ距離で、スマホ→PC、または家族のスマホなど別端末で測ります。

  • 端末Aだけ遅い端末原因
  • 全部遅いルーター or 電波

2-5. ここまでの結果が一発で分かる「判定表」

チェック結果濃厚な犯人
有線でも遅い回線(ISP混雑・方式・障害・宅内終端)
有線は速い/ルーター近距離でも遅いルーター or 端末
有線は速い/近距離は速い/部屋で遅い電波(距離・壁・干渉・置き場所)
同じ場所で特定端末だけ遅い端末(規格・設定・負荷)

ここまでで、買い替えの前に「どこを直すべきか」が特定できます。
次章からは、犯人ごとの対処を“やる順”で書きます。


3. 回線が原因のとき(ONU/光回線/ISP混雑/方式)

切り分けで「有線でも遅い」なら、Wi-Fi以前に回線側が詰まっています。
体感が悪いときは、速度だけでなく“時間帯”も強いヒントです。

3-1. 回線が原因っぽい症状

  • 有線でも遅い(まずこれ)
  • 夜だけ落ちる(ピーク帯の混雑)
  • ダウンロードはそこそこでも、Pingが悪い(会議・ゲームが不安定)
  • ある日突然悪化(障害/メンテ/設定変更)

3-2. まずやること(順番が大事)

① ONU/モデム/ルーターを「正しい順」で再起動

おすすめはこの順です。

  1. ルーターの電源OFF
  2. ONU(モデム)の電源OFF
  3. 30秒ほど待つ(内部のセッションが切れる)
  4. ONUをON → ランプ安定まで待つ
  5. ルーターをON → 1〜2分待つ
  6. 速度テスト(できれば2回)

※「直ったけどすぐ戻る」なら、次のチェックへ。

② 配線チェック(地味だけど効く)

  • ルーターとONUの間のLANケーブルが劣化・断線気味
  • 古い規格のケーブル(最低限Cat5e以上が安心)
  • コネクタが甘い/曲げがキツい

③ 時間帯別に測って“混雑”を見える化する

同じ端末・同じ場所・できれば有線で、
朝/昼/夜で測って記録します。

  • 夜だけ落ちる → 混雑(方式の影響)を疑う価値が高い
  • 常に遅い → 障害・物理・プラン不整合などの可能性

3-3. PPPoEとIPoE(IPv6)の違いを超ざっくり理解する

ここは難しく見えますが、要点は1つです。

  • PPPoE:昔から多い方式。混む時間帯に遅くなりやすいことがある
  • IPoE(IPv6系、v6プラス等):混雑に強い仕組みのことが多い

「夜だけ遅い」なら、IPoE対応(IPv6系)に切り替えると改善するケースがあります。
ただし、これは

  • ルーターが対応しているか
  • 契約しているプロバイダが提供しているか
    で決まります。
インターネットの通信方式による混雑の違いを道路の渋滞で例えた比較イラスト。上半分は赤色を基調とし、「PPPoE方式(混雑しやすい)」というラベルと共に、狭い道路で車が激しく渋滞している様子が描かれている。下半分は青色を基調とし、「IPoE方式(夜でも快適)」というラベルと共に、広くて空いている高速道路を車がスムーズに走行している夜景が描かれている。

3-4. 回線側の改善策(やる順)

  1. 再起動(上の順番)
  2. 配線チェック(ONU〜ルーター)
  3. 時間帯別測定で混雑を確認
  4. ルーターがIPoE(IPv6系)対応か確認/設定
  5. ISP(プロバイダ)変更やプラン見直しを検討(必要なら)

3-5. 問い合わせ時に“これだけ”揃えると話が早い

回線会社やプロバイダに相談するときは、以下があると一気に進みます。

  • 有線直結(可能なら)の速度テスト結果
  • 測定した日時(夜に落ちるならその時間帯)
  • Pingが悪い/パケットロスがある体感
  • いつから・全端末で起きるか

4. ルーターが原因のとき(性能/設定/熱/不調)

切り分けで「近距離でも遅い」「再起動で一時改善」が出たら、ルーター側の疑いが濃くなります。
ルーターは“家のネット交通整理役”なので、ここが詰まると全員が遅くなります。

4-1. ルーター原因の典型パターン

  • ルーターの近くでも遅い(=電波以前に詰まってる)
  • 再起動で直るが、しばらくするとまた遅い
    → 熱・メモリ・処理負荷などが原因になりやすい
  • 接続台数が多い(スマホ+TV+ゲーム+見守りカメラ+スマート家電など)

4-2. よくある原因チェックリスト(当てはまるほどルーター寄り)

規格・性能の問題

  • ルーターが古い(Wi-Fi規格が古い世代)
  • 同時接続が多い家庭なのに、安価なルーターで回している
  • ルーターに高負荷機能を盛っている(後述)

設定・構成の問題

  • 中継器を多段にしている/構成が複雑になっている
  • メッシュと中継とブリッジが混在している
  • QoS(通信制御)が変に効いて速度を絞っている
  • セキュリティ機能やフィルタが重い

物理(熱・環境)の問題

  • ルーターが熱い場所に置かれている(テレビ裏、収納、窓際、直射日光)
  • ホコリが多い、放熱できてない、床置き
  • 電源タップが過密(ノイズや電圧不安定のことも)

4-3. ルーター側の改善策(効く順にやる)

① 再起動(ただし“やり方”が大事)

  • 電源OFF → 10〜30秒待つ → ON
    (待つことで内部の状態がきれいに戻ることが多い)

再起動で改善するなら、ルーター側の可能性がかなり上がります。

② 設置環境の改善(これが意外と強い)

  • 収納の中に入れない/周囲に空間を作る
  • できれば床から上げる(棚の上など)
  • テレビ裏、金属ラック、電子レンジ付近を避ける
  • ルーターが触って熱いなら、まず放熱改善

③ ファームウェア更新

  • ルーターの管理画面やアプリで更新確認
  • 更新で安定性が改善することは珍しくない

④ “重い機能”を一度OFFにして差分を見る

一時的でOKなので、OFFにして速度・安定が変わるか確認します。

  • ペアレンタルコントロール
  • 常時ログ保存
  • セキュリティ監視(高度なフィルタ)
  • VPNサーバー機能
  • きつめのQoS

「OFFで改善」なら、ルーター性能と機能のバランスが崩れている可能性。

⑤ 最終手段:初期化→再設定

設定が迷子になっていると、これが一番早いこともあります。
ただし、**SSID/パスワード、プロバイダ設定(必要な場合)**は控えてから。


4-4. 買い替え判断(買う前に“必要条件”を言語化する)

買い替えは最後でOKですが、判断基準だけは先に持っておくと失敗しません。

  • 家の広さ:1LDKか、戸建てか
  • 壁の強さ:鉄筋/コンクリ/水回りが多いか
  • 同時接続:家族人数+TV+ゲーム+スマート家電
  • 用途:会議が多い/ゲーム重視/動画中心

この条件によって「必要な性能(クラス)」が変わります。
(※具体的な機種選びは、次の章以降で“電波”と合わせて書くと失敗が減ります)


5. 端末が原因のとき(スマホ/PCの規格・負荷・設定)

切り分けで「同じ場所・同じWi-Fiなのに、この端末だけ遅い」が出たら、犯人はほぼ端末側です。
端末原因は“地味”ですが、直ると一気に快適になります。


5-1. 端末原因の典型パターン(当てはまるほど端末寄り)

  • ルーターの近くでも、端末Aだけ遅い
  • 端末を変えると速い(家族のスマホだと問題ない等)
  • 省電力モード/低電力モード中だけ遅い
  • VPNやセキュリティアプリを入れてから遅い
  • OSアップデート後から遅い(ドライバや設定の変化)

5-2. よくある原因(スマホ/PC別に)

スマホで多い原因

  • Wi-Fi規格が古い(端末が2.4GHz寄り、あるいは電波の掴みが弱い)
  • バッテリー節約で通信が制限(バックグラウンド通信・スリープ時)
  • 写真バックアップ/クラウド同期が裏で走っている
  • Bluetooth機器併用で2.4GHz帯が混みやすい(イヤホン等)
  • DNSやプロキシ、プライベートDNSの影響
  • 端末のケースや持ち方でアンテナを塞いでいる(特に金属系・リング)

PCで多い原因

  • Wi-Fiアダプタが古い/安価(2.4GHzしか安定しない等)
  • Wi-Fiドライバが古い(不安定・速度低下)
  • USB Wi-Fi子機が干渉を受けている(USB3.0周辺ノイズ、机の下など)
  • 省電力設定(電源プランで無線アダプタが節約モード)
  • 常駐ソフト(VPN、セキュリティ、トラフィック監視)が重い

5-3. 端末側の改善策(この順に試すと早い)

① まずは“Wi-Fiのやり直し”で差分を見る

  • Wi-FiをOFF→ON(いったん接続を切る)
  • それでもダメなら、ネットワーク削除→再登録
    • SSIDを一度削除して、パスワードを入れ直すだけで安定することがあります

② 省電力モードをOFFにする(体感が変わりやすい)

  • スマホ:低電力モード/バッテリー節約を一時OFF
  • PC:電源プランを“高パフォーマンス寄り”に一時変更
    (変化が出るかを見るのが目的)

③ バックグラウンド負荷を止めて測る

  • 写真/動画のクラウド同期(Googleフォト、iCloud等)
  • OS更新、アプリ更新
  • 大容量のアップロード(動画投稿、バックアップ)

ポイント:「速度テストは速いのに体感が遅い」人ほど、裏のアップロードが原因のことが多いです。
上りが詰まると、下りも体感が悪くなりがちです。

④ VPN/セキュリティを一時停止して差分チェック

  • VPNをOFF(会社の必須設定なら戻せる範囲で)
  • セキュリティアプリのWebフィルタ等を一時OFF

OFFで改善するなら「端末の設定or常駐ソフト」が原因です。

⑤ OS・ドライバ更新(PCは特に重要)

  • Windows:無線LANドライバ更新(メーカー提供があれば優先)
  • Mac:OSアップデートで改善するケースも
  • USB Wi-Fi子機:最新ドライバ+USBポート位置を変える(机上に延長する等)

⑥ 最後の手段:ネットワーク設定リセット

  • スマホ:ネットワーク設定リセット(Wi-Fi/BT/モバイル設定が戻る)
  • PC:ネットワークのリセット/アダプタ再設定

“端末だけ遅い”が確定しているなら、ここで改善することが多いです。


6. 電波が原因のとき(距離/壁/干渉/置き場所)

Wi-Fiの周波数帯、2.4GHzと5GHzの電波特性の違いを説明した図。上段の「2.4GHz」は、ルーターから出た波長の長い電波が壁を通過して家まで届く様子が描かれ、「壁に強い」「遠くまで届く」と説明されている。下段の「5GHz」は、波長の短い電波が壁に反射して家まで届かない様子が描かれ、「速度が速い」「壁に弱い」と説明されている。

切り分けで
ルーター近くは速い→部屋に行くと遅い」なら、犯人は電波側です。
そして電波改善は、買い替えより先に置き場所で大きく変わります。


6-1. 電波原因の典型パターン

  • ルーター近くは快適だが、寝室・子ども部屋が遅い
  • 扉を閉めると遅い/廊下を挟むと遅い
  • 集合住宅で近隣Wi-Fiが多い
  • 電子レンジ使用中に途切れる(特に2.4GHz)

6-2. 2.4GHz/5GHz/6GHzの“使い分け”が体感を決める

難しく見えますが、覚えるのはこの3行です。

  • 2.4GHz:遠くまで届くが混雑しやすい
  • 5GHz:速いが壁に弱い
  • 6GHz:空いてることが多いが到達距離は短め(対応機器が必要)

おすすめの使い方(ざっくり)

  • ルーターから遠い部屋:まず 2.4GHz を試す価値あり
  • ルーター近く/同室:5GHz を優先
  • もし6GHzが使えるなら:近距離で安定を狙う(対応端末限定)

※「自動(バンドステアリング)」が便利な反面、環境によっては“切り替えが迷子”になり不安定になることもあります。
「特定の部屋だけ不安定」なら、SSIDを分けて固定が効くケースがあります。


6-3. 置き場所だけで改善する“黄金ルール”

まずはここ。最もコスパがいい改善です。

  • 家のなるべく中心に置く(端に置くと反対側が死ぬ)
  • 床置きしない(床は障害物が多い/反射も増える)
  • 高い位置(棚の上など)に置く
  • テレビ裏、金属ラック、水槽の近く、電子レンジの近くを避ける
  • 収納の中に入れない(壁が増えて一気に弱まる)
  • ルーターの周囲に空間を作る(放熱にも効く)

「置き場所を変えるだけで別物になる」ことは、本当に多いです。

家の間取り図とヒートマップを用いた、ルーターの置き場所による電波の広がりの比較図。左側は「NG: 家の隅(電波が外に逃げる)」と題され、部屋の隅に置かれたルーター周辺のみ電波が強く(赤色)、家全体には届いていない(青色)。右側は「OK: 家の中心(全体に届く)」と題され、家の中心に置かれたルーターから家全体に強い電波(赤~黄色)が均等に広がっている様子が示されている。下部には電波強度が「強(赤)→弱(青)」を示す凡例がある。

6-4. 干渉(近隣Wi-Fi・家電)を疑うポイント

  • 集合住宅でSSIDが大量に見える
  • 2.4GHzで不安定(電子レンジ、Bluetooth、家電の影響)
  • 夜だけ不安定(近隣の使用が増える)

対策としては

  • 可能なら5GHzへ寄せる
  • 2.4GHzは“届くけど混む”前提で、遠い部屋専用にする
  • ルーターのチャンネルは基本「自動」で良いが、
    明らかに混雑している場合は固定で改善することも(※やりすぎ注意)

6-5. 中継器 vs メッシュ:ここを間違えると遅くなる

中継器のよくある失敗

  • 電波が弱い部屋に置く → そもそも中継器が弱い電波を拾って、弱いまま再放送する

正しい置き方は
「ルーターからの電波がまだ強い地点(途中)」です。
“遠い部屋”と“ルーター”の間の、ちょうど中間。

メッシュの強み

  • ノード同士が連携して、移動しても切り替えが自然
  • 戸建てや壁が多い家で有利

ただし、メッシュも

  • ノードの置き場所が悪い
  • 無線バックホールで混む
    と期待ほど出ないことがあります。

6-6. 最強の解:有線バックホール(可能なら勝ち)

もし可能なら、

  • ルーター ↔ 別のアクセスポイント(またはメッシュノード)
    LANケーブルでつなぐと安定性が跳ね上がります。

「遠い部屋で速度が落ちる」問題に対して、家庭用としては最も確実な解決策です。


7. 速度だけじゃない:体感の遅さはPing/ジッターが犯人のこともある

「速度テストはそこそこ出るのに、会議が途切れる/ゲームがラグい」
これは珍しくありません。

体感に効く代表が以下です。

  • Ping:反応速度(小さいほど良い)
  • ジッター:Pingのブレ(小さいほど安定)
  • パケットロス:通信の落ち(あると致命的)

オンライン会議やゲームは、下り速度よりも
Pingとジッターの安定が重要になることが多いです。

そして家庭内でこれが悪化する典型が

  • 家族が動画視聴やアップロード中
  • クラウドバックアップが走っている
    など、“回線が埋まる”状態です。

この場合、対策は

  • 端末側のアップロードを止める
  • ルーターのQoSを適切に使う(または重すぎるQoSを切る)
  • 可能なら有線化
    が効きます。

8. すぐ使える「切り分けチェック表」(記録テンプレ)

ここまでやると、原因がかなり高確率で確定します。
記録は“自分の整理”にも“問い合わせ”にも効きます。

記録する項目

  • 日時(朝/昼/夜)
  • 測定場所(ルーター近距離/寝室など)
  • 端末(スマホ名、PC名)
  • 接続帯域(2.4GHz/5GHz/6GHz)
  • 速度(下り/上り)
  • 体感(会議が切れる、動画が止まる等)

おすすめの測り方

  • ①ルーター近距離
  • ②問題の部屋
  • ③端末を変える
    この3点セットで測ると、切り分けが一気に進みます。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 速度テストは速いのにYouTubeだけ遅いのは?

YouTube側の混雑や経路の問題のこともありますが、家庭内だと
DNS・VPN・Wi-Fiの切り替え迷子(2.4↔5)でも起こります。
まずはVPNをOFF、次にSSID固定(5GHz固定)を試すと変化が出やすいです。

Q2. 再起動で直るのに、また遅くなるのはなぜ?

ルーターが

  • 熱で不安定
  • 内部処理が詰まりやすい
  • 接続台数が多くて負荷が高い
    などの可能性が高いです。まず設置環境(放熱)とファーム更新を。

Q3. 中継器を増やしたのに遅くなりました…

中継器は置き場所が命です。
弱い部屋に置くと、弱い電波を拾って再放送するだけになりがち。
“途中の強い地点”に移動するだけで改善することがあります。

Q4. 2.4GHzと5GHz、どっちに固定すべき?

  • ルーター近く:5GHz固定が安定しやすい
  • ルーターから遠い部屋:2.4GHz固定が届く可能性
    ただし2.4GHzは混雑しやすいので、集合住宅なら5GHz優先が基本です。

Q5. 有線にしたら絶対速いですか?

安定はしやすいですが、

  • LANケーブルが古い
  • ルーターポートが100Mbpsまで
    などの罠もあります。
    とはいえ“切り分け”には最強なので、まず有線テストはおすすめです。

10. まとめ:最短で犯人を捕まえる順番はこれ

Wi-Fiが遅いとき、最短で結論を出す手順は次の通りです。

  1. 可能なら有線で測る(回線が遅いかを最優先で切る)
  2. ルーター近距離で測る(電波の影響を外す)
  3. 別端末で測る(端末原因を切る)
  4. 部屋移動で差を見る(電波問題を確定させる)

この順番でやれば、「回線/ルーター/端末/電波」のどこが犯人かが高確率で特定できます。
買い替えは、犯人が分かってからで十分間に合います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました