調査概要と対象モデル
YouTubeやSNS用の動画撮影で音声を収録する際、「ポータブルオーディオレコーダー」とスマートフォンの「内蔵マイク」のどちらを使うべきか——
これは、動画クリエイターやVlogger、モバイルジャーナリストがよく直面する課題です。
本記事では、2024年4月〜2025年4月の最新モデルに注目し、以下の3タイプの機材を比較・検討しました。
- ポータブルオーディオレコーダー（32-bit float録音対応）
例：Zoom H4 Essential、Zoom H1 XLR、Tascam Portacapture X6、FR-AV2 など - スマートフォンの内蔵マイク
例：iPhone 15シリーズ など - スマホ用の外付けマイク
例：Shure MV88、Zoom iQ7 など
比較の観点
比較は以下の5つの視点から行います。実際のユーザーレビューやSNSでの声をもとに、リアルな評価をまとめました。
- 音質（録音クオリティ）の違い
- 使いやすさ・操作性
- 携帯性や取り回しの良さ
- 録音ファイルの扱いやすさ（ワークフロー）
- スマホ＋外付けマイク使用時の評価
音質の比較：録音クオリティとマイク性能
音質にこだわる動画制作において、「どの機材で録るか」は映像の印象すら左右する重要な要素です。
✅ 専用ポータブルレコーダーの音質は段違い
最新のポータブルオーディオレコーダー（Zoom H1 XLRやTascam X6など）は、32-bit浮動小数点録音に対応しており、録音レベルの設定ミスによる“クリップ”を回避できます。
ゲイン調整が不要でも、大音量でも歪まず、ささやき声もあとから増幅できるのが大きな魅力です。
特に評価されているのは以下のポイント：
- 高品位プリアンプ搭載でホワイトノイズが極めて少ない
- リニアPCM形式（非圧縮WAV）で録音可能
- XLR入力によりプロ仕様マイクと組み合わせられる
ユーザーの声
「バンドのボーカルを録ったが、専用レコーダーだと“空気感”まで記録されてて驚いた」
— Reddit（r/audioengineering）
✅ スマホ内蔵マイクも「想像以上に使える」
一方で、iPhone 13以降のマイク性能は飛躍的に進化しており、ステレオ録音やノイズ処理の自動最適化が進んでいます。
- SNS投稿やVlogなど「話し声主体」の録音では十分クリア
- GarageBandなどアプリとの連携で高品位なデモ作成も可能
- 特別な機材なしで撮って出しが可能
ユーザーの声
「iPhone 15 Proでライブ演奏を録ったら、“スマホでここまで録れるのか”って思った」
— Gearspace フォーラム
ただし、マイクサイズや構造的に指向性が限定されるため、周囲の雑音が入りやすいという弱点も。
✅ スマホ＋外付けマイクは“ハイブリッドな正解”
「音質も欲しいけど、スマホの手軽さも捨てがたい」という人には、スマホ用の高性能外付けマイクが大きな選択肢になります。
- 例：Shure MV88、Zoom iQ7、RØDE Wireless GO II など
- 高感度マイクで集音能力UP
- スマホ録画アプリと組み合わせて“高音質な一発撮り”が可能
ユーザーの声
「MV88の音が気に入りすぎて、Zoom H6よりこっちばかり使ってる」
— Gearspace コミュニティ
🔍 音質パートまとめ：
| 機材 | 音質の評価 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| ポータブルレコーダー | ◎ 圧倒的に高音質。特に音楽や環境音に最適 | 音楽、ナレーション、ASMR、屋外収録 |
| スマホ内蔵マイク | ○ 日常的なトークや短尺動画なら十分 | SNS投稿、Vlog、メモ |
| スマホ＋外付けマイク | ◎ 良いマイク次第で専用機に迫る音質 | モバイル収録、軽量運用 |
使いやすさ・操作性の比較
動画制作で“音声収録の機材”を選ぶ際、実際にどれだけ手軽に使えるかはとても重要なポイントです。
音質が良くても、「めんどくさいから使わなくなる」では本末転倒。そこで今回は、ユーザーのリアルな声をもとに操作性を比較します。
✅ スマホ内蔵マイク：シンプルさは最強
スマホは常にポケットにある「最も身近な収録機器」。アプリを立ち上げてすぐに録音・録画できるため、「今撮りたい」に即対応できるのが最大の強みです。
- ワンボタンで録音スタート
- 音声と映像が一つのファイルにまとまるため、編集が楽
- SNSやYouTubeショート動画向けに“撮って出し”しやすい
ユーザーの声
「Zoomのレコーダー買ったけど、結局スマホばっか使ってる。起動して数秒で撮れる手軽さには勝てない」
— Gearspace フォーラム
✅ ポータブルレコーダー：設定自由度と安定性が魅力
一方で、専用レコーダーは音声収録のプロ仕様の機能が満載。録音レベル調整やフィルター設定など、細かな調整が物理ボタンででき、収録環境に応じて最適な録音が可能です。
- ローカット、リミッター、ステレオ/モノ切替など柔軟に設定可能
- モニタリング（ヘッドホン確認）対応で録りながら確認できる
- 通知や電話で録音が止まる心配なし
ユーザーの声
「スマホ録音は便利だけど、音飛びしたら終わり。長回し収録なら絶対専用機」
— Reddit（r/filmmakers）
さらに、最新モデルでは操作性も改善されています。
- Zoom H4 Essential：静音ボタン設計で録音中にノイズが乗りにくい
- Tascam Portacaptureシリーズ：タッチパネル操作とシーンプリセットが使いやすい
✅ スマホ＋外付けマイク：スマホ操作と音質のハイブリッド
外付けマイクをスマホに繋げた場合、アプリで録音設定を操作できる柔軟性が生まれます。
専用アプリによってレベル調整、モニタリング、録音フォーマット選択などが可能で、スマホのUIに慣れている人にはとっつきやすいという声も。
ただし、「結局、機材を繋いだり準備に時間がかかる」と感じる人も一定数います。
ユーザーの声
「外付けマイク使うと、セッティングが意外と手間。ならレコーダーでも良かったかも」
— Reddit（r/audioengineering）
🔍 操作性まとめ：
| 機材 | 操作性の評価 | 向いている人 |
|---|---|---|
| スマホ内蔵マイク | ◎ 超手軽、すぐ録れる | Vlogger、SNS投稿者 |
| ポータブルレコーダー | ○ プロ向けの操作性、安定性 | 映像制作、インタビュー録音 |
| スマホ＋外付けマイク | △ 設定自由度はあるが準備は増える | 中上級のモバイル収録派 |
携帯性・取り回しの比較
どれだけ高性能でも、「持ち歩くのが面倒」では使用頻度が下がってしまいますよね。
日常の撮影や外ロケが多い人にとって、機材のサイズや機動力は非常に大きな判断材料になります。
✅ スマホ内蔵マイク：最強のミニマル構成
スマホは常にポケットに入っている存在。そのまま録音・撮影ができるため、最軽量＆最速の運用が可能です。
- 機材ゼロ。思いついたらすぐ録れる
- 撮影・録音・投稿がスマホだけで完結
- 「撮る予定がなかった瞬間」も逃さない
ユーザーの声
「娘に録音機を持たせるなら、iPhoneが一番。何も持たせなくていいから」
— Gearspace フォーラム
✅ ポータブルレコーダー：意外と小型！でも追加荷物は避けられず
一昔前は“レコーダー＝大きくて重い”というイメージもありましたが、2024年以降のモデルは手のひらサイズまで小型化しています。
- Zoom H1 XLR：マイク非搭載でポケットサイズ
- Tascam Portacapture X6：小型ながら高性能マイク内蔵
- Zoom H4/H6 Essential：カメラと一体化して使える設計
ユーザーの声
「Zoom H6を録音専用カメラとしてバッグに常備してる。スマホ感覚で録れる」
— Gearspace コメント欄
それでも、「スマホよりかさばる」のは事実。マイクや三脚、風防などを追加すると荷物は増えます。
✅ スマホ＋外付けマイク：中間的な選択肢
LightningやUSB-Cに直挿しするタイプのマイク（例：Shure MV88やZoom iQ7）なら、比較的コンパクトで音質も◎
しかしマイク本体・ケーブル・風防など、多少の機材管理は発生します。
- スマホ撮影＋高音質録音のバランス型
- 三脚やグリップと組み合わせて「ミニVlogセット」化も可能
- ワイヤレスマイク（RØDE Wireless GO IIなど）もスマホで活用可
ユーザーの声
「マイクつけると結局ミニ機材セットになる。完全な身軽さはないけど、画質・音質のバランスが良い」
— Reddit（r/videography）
🔍 携帯性まとめ：
| 機材 | 携帯性の評価 | コメント |
|---|---|---|
| スマホ内蔵マイク | ◎ 超軽量、常に携帯してる | 思いつき撮影や旅行に最適 |
| ポータブルレコーダー | ○ 機種によってはポケットサイズも | 高音質と引き換えに多少荷物は増える |
| スマホ＋外付けマイク | △ 中間サイズ、荷物は多少増える | 機材少なめで音質を上げたい人向け |
録音ファイルの扱いやすさ（ワークフロー比較）
撮影・録音が終わったあと、編集や投稿までのスピードと手間も機材選びにおける重要なファクターです。
「思ったより面倒だった…」というミスを防ぐために、録音後の処理や連携のしやすさを比較していきます。
✅ スマホ内蔵マイク：撮ってすぐ編集・投稿が完結
スマホ録音の最大のメリットは、録音データがそのまま映像ファイルに統合されている点。
別録り音声の同期や転送などが一切不要で、“撮ってそのままアップロード”が可能です。
- SNSやYouTube Shorts向けの即時発信に最適
- 編集アプリ（CapCut、VN、iMovieなど）にすぐ取り込める
- クラウド連携やAirDropでの共有もスムーズ
ユーザーの声
「スマホ録音なら、PCにファイルを移す手間がなくて最高」
— Gearspace フォーラム
✅ ポータブルレコーダー：編集耐性は高いがひと手間かかる
専用レコーダーは基本的にWAV（非圧縮）やMP3ファイルをmicroSDカードに保存します。
そのため、動画と音声を別々に収録する“いわゆる別録り”になることが多く、編集時には音声ファイルの取り込み＆同期作業が必須になります。
- 音声編集ソフト（Audacity、RX、Premiere Pro等）との相性は抜群
- 高音質ファイルによる後処理耐性◎（ノイズ除去、EQ、音圧調整）
- Wi-Fi転送対応機種も増えてきてはいるが、PC作業は基本前提
ユーザーの声
「録音後の同期が面倒で、短い動画はスマホ音声で済ませるようになった」
— Reddit（r/filmmaking）
✅ スマホ＋外付けマイク：高音質とスマホワークフローのいいとこ取り
外付けマイクを使用したスマホ録音は、音質向上をしつつもワークフローはスマホのまま。
録音データはスマホ内に保存され、即アプリに取り込んで編集・投稿が可能です。
- Shure MV88など専用アプリでWAV録音も対応可能
- 録音設定を調整できる柔軟性
- クラウド共有やSNSへの投稿もスマホ操作で完結
ただし、スマホ録音はデフォルトでAACや圧縮形式になる場合もあるため、高音質を求める場合はアプリ設定で無圧縮に切り替える必要ありです。
ユーザーの声
「Shureアプリで録って、そのままLumaFusionに流し込んで編集。PCいらずで快適」
— Gearspaceレビュー
🔍 ワークフローまとめ：
| 機材 | ワークフロー評価 | 特徴 |
|---|---|---|
| スマホ内蔵マイク | ◎ 即編集・投稿OK、最速 | SNS・短編動画向けに最適 |
| ポータブルレコーダー | △ 別録り・同期作業が必要 | 本格編集・音声補正に最適 |
| スマホ＋外付けマイク | ○ スマホ完結ながら音質UP | モバイル制作にぴったりの中間解 |
スマホ＋外付けマイクの評判と位置づけ：新たな“ちょうどいい”選択肢
近年、クリエイターたちの間で注目度が急上昇しているのが、スマートフォン＋高性能外付けマイクの組み合わせです。
これは「スマホの手軽さは捨てたくない、でも音質には妥協したくない」という人にとって、ベストバランスな選択肢として評価されています。
✅ 評判の高い代表モデルとその特徴
- Shure MV88
→ コンパクトなステレオコンデンサーマイク。Lightning接続でiPhoneに直挿し可能。
→ Shure MOTIVアプリで録音設定や指向性、ゲイン調整などが可能。 - Zoom iQ7
→ Mid-Side方式ステレオマイク。音場の広さを調整可能。
→ モバイル配信やフィールド録音に強み。 - RØDE Wireless GO II / DJI Mic
→ ワイヤレスでラベリア（ピン）マイクをスマホに接続できる。
→ インタビューや対談収録で定番化。
ユーザーの声
「Zoom H6よりShure MV88の音の方が好み。iPhoneで済むならそっちの方が早いし楽」
— Gearspace フォーラム
✅ 手軽さと音質の両立が支持されている理由
スマホ＋外付けマイクの最大のメリットは、スマホベースの運用を崩さずに音質を底上げできることです。
つまり、スマホという最強の携帯性＆編集環境を持ちながら、プロ並みの録音が可能になるというわけです。
特に支持されているシーン：
- ワンオペ撮影のVlog
- 屋外収録やライブ配信
- モバイルジャーナリズム（現場取材や街頭インタビュー）
✅ 一方で「それなら専用機でいいのでは？」という声も
外付けマイク運用にはセッティングの手間もあり、実際に使ってみると意外と大変という声もあります。
- アダプタ接続時のノイズや接触不良のリスク
- 外部マイクの風防やマウントの管理
- スマホバッテリーの消費と録音中断の不安
ユーザーの声
「スマホにマイク付けると、それだけで結構セッティングが面倒。結局、専用レコーダーに戻った」
— Reddit（r/audioengineering）
また、スマホのオーディオインターフェースの質によっては、高級マイクでも性能が出し切れないという課題もあります。
🔍 評価まとめ：
| ポイント | 評価 |
|---|---|
| 音質向上 | ◎ 外付けマイク次第で専用機に迫る |
| 携帯性 | ○ マイク分の荷物は増えるが運用可能 |
| 操作性 | ○ スマホUIを活かせて直感的だが、接続準備は必要 |
| 適したユーザー | SNS向け動画制作、出先での高音質収録、Vlog、対談撮影など |
長所・短所のまとめと用途別おすすめ
ここまでの比較から、ポータブルオーディオレコーダー・スマホ内蔵マイク・スマホ＋外付けマイクそれぞれの特徴と使い分けのポイントが明確になってきました。
✅ 三者の長所・短所まとめ表
| 項目 | ポータブルレコーダー | スマホ内蔵マイク | スマホ＋外付けマイク |
|---|---|---|---|
| 音質 | ◎ 圧倒的高音質（32-bit対応機あり） | △ 簡易だが十分使える | ○ マイク次第で専用機に迫る |
| 操作性 | ○ 設定自由度は高いが準備が必要 | ◎ 即録音できて手軽 | ○ スマホ操作で完結、ただし接続準備は必要 |
| 携帯性 | △ 荷物は増えるが最近は小型化 | ◎ スマホだけで完結 | ○ 小型マイクなら軽量運用も可 |
| ワークフロー | △ 音声同期が必要、PC作業前提 | ◎ 撮ってすぐ編集・投稿可能 | ○ 音質UPしつつスマホで完結 |
| 信頼性 | ◎ バッテリー管理・録音安定性抜群 | △ 着信や通知で中断リスクあり | ○ スマホ依存だが音質確保できる |
✅ 用途別おすすめ機材
🎙️ SNS投稿・Vlog（日常・軽めの撮影）
→ スマホ内蔵マイク or スマホ＋外付けマイク
- 撮ってすぐ投稿したい
- 手軽さ・スピード最優先
- 特別な編集をしない場合にベスト
🎧 音楽や環境音・作品系YouTube動画
→ ポータブルオーディオレコーダー
- 高音質・広ダイナミックレンジが求められる
- 編集・音声処理をしっかり行う
- 安定した長時間録音や静かな収録に向く
🎥 モバイル取材・外ロケ・ソロ制作
→ スマホ＋外付けマイク
- 荷物を増やさずに音質も欲しい
- ワイヤレスマイクなど軽機材で運用したい
- 機動力と品質のバランスを取りたい人に最適
✅ 最後に：あなたにとって最適な録音機材とは？
録音における最大のポイントは「何を録りたいか」「どんなクオリティで届けたいか」。
Redditのユーザーが語ったこの一言が、すべてを物語っています：
「録音において最も重要なのはマイクだ。良いマイク＋スマホでも素晴らしい録音はできるし、悪いマイクではどんな録音機を使ってもダメ。」
つまり、手軽さ、音質、編集のしやすさ…あなたのスタイルに合った録音環境を選ぶのがベストです。
もしこれから始めるなら、まずはスマホでOK。
その先、「もっと音にこだわりたい」と感じたら、外付けマイクや専用レコーダーの導入を検討するのが王道と言えるでしょう。
コメント